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B型事業所の工賃を上げるには?売上から逆算する仕事づくり

B型事業所の工賃を上げるには?売上から逆算する仕事づくり

2026年10月08日 02:30

就労継続支援B型事業所を運営していると、

「工賃を上げたい」

「利用者さんにもっと還元したい」

「仕事はあるけれど、なかなか工賃が増えない」

という課題に直面することがあります。

工賃を上げるためには、単純に作業量を増やすだけでは十分ではありません。

大切なのは、

「どれだけの売上をつくれば、どれだけの工賃を支払えるのか」

を逆算して考えることです。

今回は、B型事業所の工賃向上を考えるうえで重要な「売上から逆算する仕事づくり」について整理します。

1.工賃を上げるには、まず必要な売上を考える

工賃を上げたいと考えたとき、最初に決めたいのは、

「利用者1人あたり、月にいくら支払いたいのか」

という目標です。

例えば、

利用者30人に

1人あたり月5万円の工賃を支払うとすると、

5万円 × 30人 = 150万円

の工賃原資が必要になります。

もちろん、実際には材料費、外注費、送料、設備費など、生産活動に必要な経費もあります。

そのため、

「工賃150万円を払いたいから、売上150万円あればいい」

というわけではありません。

まずは、

必要な工賃総額

+

生産活動にかかる経費

を考え、

その金額を上回る売上をどう作るか

という順番で考える必要があります。

2.「仕事を増やす」だけでは工賃は上がらない

工賃を上げるために、

「とにかく作業を増やそう」

と考えることがあります。

しかし、作業量が増えても、単価が低ければ売上は大きく増えません。

例えば、

1個10円の内職を1,000個行っても売上は1万円です。

一方で、

1件5,000円の仕事を10件受注すれば売上は5万円になります。

同じ時間を使うのであれば、

「どれだけ作業したか」ではなく、

「その仕事がいくらの売上になるのか」

を見る必要があります。

工賃向上を考えるときは、

作業量ではなく、

売上単価と利益率

を見ることが重要です。

3.低単価の内職だけに頼らない

B型事業所では、袋詰め、シール貼り、部品組立などの内職作業を行っている事業所も多くあります。

こうした仕事には、

利用者が取り組みやすい

作業工程を分けやすい

安定して仕事を確保しやすい

といったメリットがあります。

一方で、単価が低い仕事だけでは、工賃を大きく上げることが難しい場合もあります。

そのため、内職作業をすべてやめるのではなく、

低単価でも安定してできる仕事

と

単価の高い仕事

を組み合わせることが大切です。

例えば、

デザイン制作

オリジナル商品の制作

EC販売

動画編集

SNS運用

印刷・プリント

店舗運営

接客サービス

など、事業所の強みを活かした仕事を増やすことで、売上の幅を広げることができます。

4.「受注する仕事」だけでなく「自分たちで売る仕事」を作る

外部企業から仕事をもらう方法は、安定した仕事を確保するうえで重要です。

しかし、

「仕事を発注してもらう」

だけでは、価格を自分たちで決めにくい場合があります。

工賃向上を目指すのであれば、

「自分たちで商品やサービスを作り、自分たちで販売する」

という考え方も必要です。

例えば、

オリジナルTシャツ

雑貨

イラスト

デザイン

食品

リラクゼーションサービス

オンラインサービス

などがあります。

自社商品や自社サービスであれば、

価格設定

販売方法

利益率

リピート施策

を自分たちで考えることができます。

工賃向上では、

「仕事をもらう」

だけではなく、

「仕事をつくる」

という発想が重要になります。

5.売上を「利用者数」で考える

工賃向上を考えるときは、売上だけでなく利用者数との関係も見ます。

例えば、

月間売上100万円で利用者20人の場合と、

月間売上100万円で利用者40人の場合では、

1人あたりに還元できる金額は大きく変わります。

つまり、

利用者が増えれば必ず工賃が上がる

というわけではありません。

利用者募集と同時に、

利用者数に見合った仕事量と売上を確保すること

が必要です。

利用者を増やす場合は、

「あと5人増えた場合、必要な仕事量はいくらか」

「その仕事から、どのくらい売上を作れるか」

まで考えておくと、工賃が下がりにくい運営になります。

6.仕事ごとの売上と利益を把握する

複数の仕事を行っている事業所では、

「どの仕事がどれだけ売上を作っているか」

を分けて確認することも大切です。

例えば、

Tシャツ制作

デザイン制作

梱包・発送

EC販売

施設外就労

リラクゼーション

など、それぞれについて、

売上

材料費

外注費

必要な時間

利用者が担当できる工程

を確認します。

一見売上が大きくても、材料費や外注費が高ければ、工賃原資として残る金額は少なくなります。

逆に、売上はそれほど大きくなくても、利益率が高く、利用者が多くの工程を担当できる仕事は、工賃向上につながりやすい場合があります。

7.「利用者ができる仕事」に事業を合わせる

高単価の仕事であれば何でも良いわけではありません。

B型事業所では、

利用者が実際に仕事として参加できること

が重要です。

例えば、

デザイン

印刷

検品

梱包

発送

写真撮影

SNS投稿

清掃

接客

など、1つの仕事を複数の工程に分けることで、それぞれの利用者が得意な部分を担当できます。

仕事づくりでは、

「売れる仕事か」

だけでなく、

「利用者が参加できる仕事か」

という視点も必要です。

8.利用者募集と仕事づくりは別々に考えない

利用者募集と工賃向上は、別の問題に見えるかもしれません。

しかし、実際にはつながっています。

魅力的な仕事がある

↓

見学希望者が増える

↓

利用者が増える

↓

仕事量を増やす必要がある

↓

売上を増やす

↓

工賃を維持・向上する

という循環を作る必要があります。

逆に、

利用者募集だけに力を入れて、

仕事が増えていない

という状態になると、1人あたりの仕事量や工賃が下がる可能性があります。

利用者募集を考えるときは、

「何人まで仕事を提供できるのか」

まで考えておくことが重要です。

工賃向上は「売上」から逆算して考える

B型事業所の工賃を上げるためには、

「利用者さんにもっと頑張ってもらう」

という考え方だけでは限界があります。

まず必要なのは、

どれだけの工賃を支払いたいのか

↓

そのために必要な工賃原資はいくらか

↓

必要な売上はいくらか

↓

その売上を作れる仕事は何か

という順番で考えることです。

つまり、

工賃向上は支援だけの問題ではなく、

事業づくりの問題

でもあります。

仕事の単価、利益率、利用者が参加できる工程、販売方法、利用者数まで含めて考えることで、継続的に工賃を上げやすい仕組みを作ることができます。

デジタル工房幸福堂について

デジタル工房幸福堂は、京都市の就労継続支援B型事業所です。

デザイン・イラスト制作、オリジナルTシャツの制作、SNS運用、リラクゼーションなど、実際の仕事を通して技術を身につけ、工賃向上や一般就労へのステップアップにつながる支援に取り組んでいます。

通所だけでなく、状況に応じた在宅での就労支援にも対応しています。

仕事内容・工賃・在宅利用・見学や体験については、公式ホームページをご覧ください。

デジタル工房幸福堂 公式ホームページ

https://koufukudo.com/b-type