
B型事業所で「仕事がない」を防ぐには?外部受注と自社事業のつくり方
2026年10月08日 02:43
就労継続支援B型事業所を運営していると、
「利用者は増えたけれど仕事が足りない」
「内職の発注量が安定しない」
「毎月同じだけの仕事を確保できない」
「工賃を上げたいが、売上につながる仕事が少ない」
といった課題が出てくることがあります。
利用者募集がうまくいっても、利用者に提供する仕事がなければ、安定した事業運営にはつながりません。
B型事業所では、
「利用者をどう集めるか」
と同時に、
「仕事をどう作り続けるか」
を考える必要があります。
今回は、B型事業所で「仕事がない」という状態を防ぐために、外部受注と自社事業をどう組み合わせるかについて考えます。
1.「仕事がある状態」を先に作る
B型事業所を運営するうえで重要なのは、利用者が来てから仕事を探すのではなく、
「利用者が増えても仕事を提供できる仕組み」
をあらかじめ作っておくことです。
利用者が増えると、
作業スペース
設備
スタッフ
作業量
だけでなく、
継続して提供できる仕事
も必要になります。
例えば、利用者が5人増えた場合、
1人あたり1日何時間仕事をするのか
月に何日利用するのか
どれだけの作業量が必要なのか
を考えておく必要があります。
利用者募集と仕事づくりは、別々に進めるものではありません。
2.外部受注だけに依存すると仕事量が安定しにくい
B型事業所では、企業などから仕事を受注して利用者が作業するケースがあります。
外部受注には、
営業を自社でゼロから作らなくても仕事を得られる
一定量の仕事をまとめて受注できる
利用者が取り組みやすい作業を確保しやすい
といったメリットがあります。
一方で、
発注元の都合で仕事量が減る
季節によって受注量が変わる
単価を自分たちで決めにくい
取引先がなくなると仕事もなくなる
というリスクもあります。
一つの取引先から大量の仕事を受けている場合、その仕事がなくなったときの影響は大きくなります。
そのため、外部受注では、
複数の取引先を持つ
異なる種類の仕事を持つ
特定の企業だけに依存しない
ことが重要です。
3.低単価の内職だけでは「仕事はあるが売上がない」状態になる
仕事量を確保するために、内職作業を多く受注している事業所もあります。
もちろん、内職作業には、
作業工程が分かりやすい
未経験でも取り組みやすい
複数人で作業を分担しやすい
といった良さがあります。
しかし、単価が低い仕事だけを大量に行っていると、
「利用者は忙しく作業しているのに、売上が少ない」
という状態になることがあります。
仕事を選ぶときは、
作業量だけではなく、
売上
単価
利益率
必要な時間
利用者が担当できる工程
まで確認することが大切です。
4.自社事業を持つことで仕事を自分たちで作れる
仕事を安定させる方法の一つが、自社の商品やサービスを持つことです。
例えば、
オリジナルTシャツ制作
デザイン制作
イラスト制作
EC販売
動画編集
SNS運用
食品製造
清掃
リラクゼーション
店舗運営
などがあります。
自社事業であれば、
商品を作る
販売する
注文を受ける
制作する
検品する
梱包する
発送する
という一連の流れを事業所内で作ることができます。
一つの商品やサービスから複数の仕事を生み出せるのも、自社事業の強みです。
5.自社事業は「作ること」より「売ること」が重要
自社商品を作ったからといって、仕事が安定するわけではありません。
大切なのは、
「誰が買うのか」
「どうやって注文を取るのか」
まで考えることです。
例えば、
ホームページ
ECショップ
Google検索
Googleビジネスプロフィール
TikTok
LINE
営業活動
などを使って、商品やサービスを知ってもらう必要があります。
自社事業では、
作る仕組み
だけでなく、
売る仕組み
までセットで考える必要があります。
6.一つの仕事を複数の工程に分ける
B型事業所の仕事づくりでは、
「利用者がどの工程に参加できるか」
を考えることも重要です。
例えばオリジナルTシャツ制作なら、
注文内容の確認
デザイン
画像加工
プリント
検品
たたみ
梱包
発送
写真撮影
SNS投稿
など、多くの工程があります。
全員が同じ作業をする必要はありません。
パソコン作業が得意な人
手作業が得意な人
接客が得意な人
コツコツした確認作業が得意な人
それぞれに役割を作ることができます。
仕事を細かく分解すると、利用者が参加できる範囲も広がります。
7.外部受注と自社事業を組み合わせる
外部受注と自社事業は、どちらか一方だけにする必要はありません。
むしろ、
外部受注
+
自社商品
+
自社サービス
を組み合わせることで、仕事量を安定させやすくなります。
例えば、
外部受注で一定量の仕事を確保する
↓
自社商品で利益率の高い仕事を作る
↓
自社サービスで継続的な売上を作る
という形です。
仕事の種類を複数持っておけば、一つの仕事が減っても、別の仕事で補いやすくなります。
8.利用者募集と営業を同時に考える
B型事業所では、
利用者募集のための広報
と
仕事を獲得するための営業
を分けて考えがちです。
しかし、ホームページやSNSは両方に活用できます。
例えば、
利用希望者には
「どんな仕事があるのか」
企業や一般のお客様には
「どんな商品やサービスを提供できるのか」
を伝えることができます。
実際の制作物や作業風景を発信すれば、
利用者募集
仕事の受注
事業所の信頼性
のすべてにつながります。
9.「仕事がない」を防ぐには仕事を探すだけでは足りない
仕事がなくなるたびに、
「何か内職はありませんか」
と探し続けるだけでは、安定した仕事づくりは難しくなります。
重要なのは、
外部から受注する仕組み
自分たちで商品を販売する仕組み
自分たちでサービスを提供する仕組み
を持つことです。
仕事づくりを、
「作業を探すこと」
ではなく、
「売上が生まれる事業を作ること」
として考える必要があります。
B型事業所の仕事づくりは「継続できる仕組み」を作ること
B型事業所で「仕事がない」という状態を防ぐためには、
仕事の量だけを見るのではなく、
どこから仕事を取るのか
誰に販売するのか
いくらで販売するのか
どのくらい利益が残るのか
利用者がどの工程に参加できるのか
まで考える必要があります。
外部受注だけに頼らず、自社商品や自社サービスを組み合わせることで、仕事の選択肢を増やすことができます。
そして、
仕事がある
↓
売上が生まれる
↓
工賃原資が増える
↓
利用者に還元できる
という流れを作ることが、継続的な工賃向上につながります。
デジタル工房幸福堂について
デジタル工房幸福堂は、京都市の就労継続支援B型事業所です。
デザイン・イラスト制作、オリジナルTシャツの制作、SNS運用、リラクゼーションなど、実際の仕事を通して技術を身につけ、工賃向上や一般就労へのステップアップにつながる支援に取り組んでいます。
通所だけでなく、状況に応じた在宅での就労支援にも対応しています。
仕事内容・工賃・在宅利用・見学や体験については、公式ホームページをご覧ください。
デジタル工房幸福堂 公式ホームページ